薄板材にバネ性を付与
延性、衝撃性、靭性、耐久性が向上
処理概要
オーステンパー処理は、高炭素鋼(C:0.6%~)薄板(t:~2.0mm)製品に、強靭なばね性能を付与する連続熱処理です。
無酸化雰囲気炉内でオーステナイト領域(800℃~900℃程度)まで加熱後、S字ノーズの下方温度域(300℃~450℃程度)に恒温保持し、その後冷却することにより、製品にベイナイト組織を付与します。
熱歪み・寸法変化が極めて少なく、良好なばね性能が得られる為、薄板ばね等に多用されています。
特 性
- 強靭な靭性・耐衝撃性
- 通常の焼入れ焼戻し工程で得られるマルテンサイト組織に比較して、ベイナイト組織は靭性・耐衝撃性・耐摩耗性を著しく向上させます
- 熱歪・寸法変化の低減
- 加熱温度域と恒温保持温度域の温度差が小さい為、製品に与えるストレスを最小限に抑えられ、歪・寸法変化を低減させることが可能です