鋳物の砂落としであり
複雑な構造部品の内部鋳砂除去や
鋳物表面のグラファイト除去に有効
処理概要
コリーン処理は、溶融アルカリ塩浴(440℃~480℃)中に鋳物部品を浸漬する事により、鋳肌表面の鋳砂・スケール等を化学的に除去する処理です。
FC材・FCD材の鋳砂除去に適しており、ショットでは取り切れない部位にも有効です。
また、電解作用を制御する事により、鋳物表面のグラファイトを除去する事も可能です。
加工物は下記の様に電解塩浴洗浄します。
- 鋳砂洗浄反応式(負電解)
- KOLENE SALT + 鋳砂(SiO2)
→ ケイ酸ナトリウム(Na2CiO3)+ 水蒸気(H2O) - グラファイト除去反応式(正電解)
- KOLENE SALT + 炭素(C)
→ 炭酸ナトリウム(Na2CO3)+ 水蒸気(H2O)
但し、グラファイト除去の場合は電解塩浴洗浄は、正→負→正→負電解の組み合わせ工程
特 性
- 化学的均一洗浄
- ブラスト加工などの物理的な方法では除去できない複雑な構造部品の、内部の鋳砂除去が可能です
- 機械加工が容易に
- 機械加工前に鋳砂除去を行う事で機械加工が容易に成り、加工用工具の寿命を延ばします
- 非鉄金属にも有効
- アルミニウム鋳物に対しても鋳砂除去処理が可能です
- 鋳物部品との接合
- 鋳物表面のグラファイトを除去することで、鋳物部品と他の鉄鋼部品や非鉄金属との銀ろう付けが容易になります
- 窒化処理の促進
- グラファイト除去を施した鋳鉄は、通常よりも厚い化合物層を得ることが可能です